Round.3 SEPANG RACE REPORT
2012 AUTO BACS SUPER GT [SUPER GT INTERNATIONAL SERIES MALAYSIA]
■開催日:2012年 6月 9日〜 6月 10日
■コース:マレーシア・セパンサーキット(全長5.542km)
■天候:<予選> 曇 <決勝> 曇
■路面コンディション:<予選> ドライ <決勝> ドライ
■チーム:LEXUS TEAM WedsSport BANDOH
■車名:WedsSport ADVAN SC430
■ドライバー:荒 聖治 / アンドレ・クート
■監督:坂東 正敬
■観客動員数:予選 28,000人/ 決勝 48,000人
灼熱の戦い。安定したレース展開で9位フィニッシュ。貴重なデータを蓄積した。
灼熱の地、マレーシアで今年もSUPER GT Round3が開催された。唯一の海外戦として定着している今大会はSUPER GTの先駆けであるJGTCが2000年にオールスター戦形式として初開催し、02年からシリーズ戦に加わった。03年は当時アジア地域を襲ったSARSの影響で中止されたが、04年に再開し毎年恒例のイベントとして定着している。
前回のRd2 富士から約一ヶ月後。チーム力で完走を果たしているのもの13位と、思うように結果が出せなった「LEXUS TEAM WedsSport BANDOH」だが、迎えたセパンラウンドでは、予選、決勝共に9位とシングルポジションを獲得し貴重なデータを蓄積した。
予選 [SUPER GT INTERNATIONAL SERIES MALAYSIA]
6月9日(土) 予選【Q1 :3位 1’57.172/SUPER LAP:9位 1’57.885】
□Q1 天候:曇 | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始:31℃/44℃>終了:31℃/41℃
□SL 天候:曇 | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始:31℃/40℃>終了:30℃/38℃
昨晩降った雨の気配が残るセパンサーキットはどことなく湿った空気感を漂わせ、セパンにしては涼しくさえ感じる朝を迎えた。しかし、予選が始まる10時には、熱帯地方独特の蒸し暑さに変わりがなかった。
予選の前に行われたフリー走行は10時からオンタイムで始まり、アンドレ・クート選手が19号車「WedsSport ADVAN SC430」のステアリングを握り、1年ぶりのコースを確かめるように走行し、セッティングを煮詰めていく。そして、4ラップ目に1'56.695のタイムで2番手につける。セッション終了したときには6番手にポジションを置き、幸先の良いスタートを切った19号車「WedsSport ADVAN SC430」。そして、坂東監督を中心にQ1に向けての作戦が練られた。
「曇り空」ということもあり雨の心配、それにマレーシア独特の混乱が多い予選やレースの心配もあり、Q1が始まってすぐにマシンをコースへ送り出した。Q1はスーパーラップに進出するトップ10を決める大事なセッションだ。その大事なセッションを任されたのは、アンドレ・クート選手。先陣を切って飛び出した19号車「WedsSport ADVAN SC430」をライバルたちはピットで見守り、5分後にコースへ入っていた。しかし19号車「WedsSport ADVAN SC430」は不運にもアタックラップにコースへ入ってきたライバル達にひっかかってしまうが、1’57.172で暫定トップに立つ。
アタックラップに、思うようなタイムが出せずに、一時は落胆したが、後から入ってきたライバル達がアタックをかけようとした周回に、1台のマシンがエンジンブローし、そのため赤旗中断となってしまう。
まだまだアタックの途中というマシンが多く、その回収作業が終了し予選が再開したものの残りは4分ほどと僅か。19号車「WedsSport ADVAN SC430」は、余裕のタイムではなかったが、その後の成り行きをピットで見守り、Q1が終了した時には、3番手タイムという結果に。
運を味方につけた19号車「WedsSport ADVAN SC430」はスーパーラップへの切符を獲得した。このセッションのトップは、38号車「ZENT CERUMO SC430」、2位36号車「PETORNAS TOM’S SC430」、3位19号車「WedsSport ADVAN SC430」とLEXUS勢が上位を飾った。
続いて17:09から行われたスーパーラップでは、Q1で10位だったマシンから出走する。
19号車「WedsSport ADVAN SC430」は8番目に荒聖治選手がアタックを開始した。荒選手の前に出走した7台のトップタイムは、18号車「ウイダー HSV-010」が出した1’55.321だ。このターゲットタイムを目指しアタックを渾身のアタックをかけるが、おしくもターゲットタイムには届かずスーパーラップの結果は9番手となった。
スーパーラップのトップは、18号車「ウイダー HSV-010」、2位38号車「ZENT CERUMO SC430」、3位23号車「MOTUL AUTECH GT-R」という結果に。
19号車「WedsSport ADVAN SC430」は中盤グリッドからのスタートとなるが、好レースを期待したい。
予選順位
6月 9日(木) 15:30〜
天気:曇|路面:ドライ
Po | No | Machine | Driver |
Qualify 1 | Super Lap | Tire | WH | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 18 | ウイダー HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | s | 小暮 卓史 カルロ・ヴァン・ダム | 1'57.723 | 1'55.321 | BS | 12 | |
2 | 38 | ZENT CERUMO SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | s | 立川 祐路 平手 晃平 | 1'56.594 | 1'55.503 | BS | 46 | |
3 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R NISSAN GT-R / VRH34B | s | 本山 哲 ミハエル・クルム | 1'57.179 | 1'55.665 | BS | 38 | |
4 | 12 | カルソニックIMPUL GT-R NISSAN GT-R / VRH34B | s | 松田 次生 J.P・デ・オリベイラ | 1'57.399 | 1'55.702 | BS | 14 | |
5 | 36 | PETRONAS TOM'S SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | s | 中嶋 一貴 ロイック・デュバル | 1'57.054 | 1'56.145 | BS | 28 | |
6 | 24 | D'station ADVAN GT-R NISSAN GT-R / VRH34B | s | 安田 裕信 ビヨン・ビルドハイム | 1'57.913 | 1'56.405 | YH | ||
7 | 100 | RAYBRIG HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | s | 伊沢 拓也 山本 尚貴 | 1'57.438 | 1'56.598 | BS | 60 | |
8 | 35 | KeePer Kraft SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | s | 国本 雄資 アンドレア・カルダレッリ | 1'57.268 | 1'57.380 | BS | ||
9 | 19 | WedsSport ADVAN SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | s | 荒 聖治 アンドレ・クート | 1'57.172 | 1'57.855 | YH | ||
10 | 39 | DENSO KOBELCO SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | s | 脇阪 寿一 石浦 宏明 | 1'57.281 | 1'59.175 | MI | 44 | |
11 | 1 | S Road REITO MOLA GT-R NISSAN GT-R / VRH34B | s | 柳田 真孝 ロニー・クインタレッリ | 1'58.044 | MI | 14 | ||
12 | 17 | KEIHIN HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | s | 金石 年弘 塚越 広大 | 1'58.092 | BS | 32 | ||
13 | 8 | ARTA HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | s | ラルフ・ファーマン 小林 崇志 | 1'58.215 | BS | 10 | ||
14 | 32 | EPSON HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | s | 道上 龍 中山 友貴 | 1'58.846 | DL | |||
15 | 6 | ENEOS SUSTINA SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | s | 伊藤 大輔 大嶋 和也 | - | BS | 2 | ||
GT500 以上予選通過 |
スーパーラップ方式予選により順位を決定
□タイヤ=BS:ブリヂストン/DL:ダンロップ/MI:ミシュラン/YH:ヨコハマ
□WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
○車名の後ろのS:シード権車両=シード権車両は、全ての参加条件が満たされている限り決勝レースへの出場が保証される。
・公式予選1回目
※赤旗提示 15:56:35〜16:05:01
※No.6 予選タイム抹消
決勝 [SUPER GT INTERNATIONAL SERIES MALAYSIA]
■6月10日(金)決勝 【9位】
天候:晴れ | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始:33度/51度>終盤:32度/44度
決勝をむかえた朝は、レースウイークに入りもっとも暑く、太陽全開といった感じの晴天。太陽とアスファルトからの熱気で、いつもなら蒸し暑いセパンサーキットだが、この日だけはカラッとした暑さが怖いくらいだ。
さてスケジュールは、国内と少々違い、朝のフリー走行の前後にサーキットサファリが組み込まれた。サーキットサファリとはいえ、貴重な走行枠が増えたことには変わりなく、余すところなく設定された走行枠を、レースシュミレーションと最後のセッティングに費やした。そして、16時、やっと暑さもひと段落したころ決勝の幕は上がった。300Kmレースのスタートドライバーはアンドレ・クート選手。アンドレ・クート選手は、1ラップのフォーメーションのち、スタートっという場面で、なぜかもう1ラップのフォーメーションが入ってしまい、拍子抜けするようなスタートになったが、2ラップ目のフォーメーションが終わった後、レッドシグナルからグリーンシグナルに。全車エキゾーストサウンドを響かせながら、ホームストレートを通過し、入り乱れながら1コーナーへ侵入。アンドレ・クート選手はイン側にラインを取り、1コーナーを立ちあがる。そして、緊張のオープニングラップをポジションキープで走行し、2ラップ目には7番手にポジションを上げてレースを展開し、順調に走行を重ねる。
しかし18ラップ目からペースが落ち込み、20ラップを数えるころにはライバル達の追い上げが厳しく12位にポジションダウン。レースは54ラップに渡り、後半が厳しくなるが、早めのピットインを決行し22ラップ目に19号車「WedsSport ADVAN SC430」はピットイン。後半戦は荒聖治選手に託された。
荒聖治選手が戦列に戻った時点で14位とポジションを落とすが、他車がピットを済ませた27ラップ目にはポジションを12位に回復し、安定したタイムでレースを展開する。
そして、レースも終盤に近付いた44ラップ目には、300クラスのクラッシュに巻き込まれた36号車とメカニカルトラブルに見舞われた1号車が戦線離脱してしまう。レース終盤の混乱により10位にまでポジションを上げた荒聖治選手は、後半まで安定したラップでそのまま最終ラップまで走り切り、10位でフィニッシュラインをくぐった。
しかしレース終了後、8位でフィニッシュしたマシンが30秒加算のペナルティーを受けたため、19号車「WedsSport ADVAN SC430」は9位に上がり、灼熱のレースに幕を閉じた。
灼熱のレースを制したのは、18号車「ウイダー HSV-010」、2位38号車「ZENT CERUMO SC430」、3位6号車「ENEOS SUSTINA SC430」
決勝後のコメント
荒 聖治選手
1月のテストとコンディションが全然変わってしまって難しいレースウイークになりました。
予選に向けて、テストの時の時のようなマシンの状態に近づけようとしましたが、あのときのフィーリングが取り戻せずに思うようなタイム出せずに残念でした。
レースは、安定して走り、コントロールしましたが、もう少し速く走らないとトップにはいけない。昨年よりは良くなってきていますが、足りない部分もあるので、今後もベストを尽くします。
アンドレ・クート選手
序盤はマシンバランスも良く、レースを楽しめましたが、後半が厳しくなり、ポジションをキープできませんでした。
次のSUGO大会(7月28〜29日)では色々なデータを生かして頑張っていきたいと思っています。引き続き応援をよろしくお願いします。
坂東 正敬監督
悔しいですね。予選は運があったのですが、決勝は全てにおいて足りないものが多すぎる。
今の状況は歯車が1個合わない感じです。他のSC勢は重い中、強いレースをしていました。
次戦より12年仕様にアップデートしますので、少し戦闘力のあるマシンになります。後はヨコハマタイヤのポテンシャルを生かせばSOGOでは上位に食い込めると思っております。
今年は勝負の年ですのでもっとチーム一丸となって全開で挑みます。今後とも応援よろしくお願いします。
決勝順位
6月 10日(日) 16:00〜(53Lap)
天気:曇|路面:ドライ|気温:33℃|路温:51℃
Po | No | Machine | Driver |
Time&Diff | Laps | BestLap | Tire | WH |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 18 | ウイダー HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | 小暮 卓史 カルロ・ヴァン・ダム | 1:47'52.531 | 53 | 1'58.118 | BS | 12 |
2 | 38 | ZENT CERUMO SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | 立川 祐路 平手 晃平 | 3.016 | 53 | 1'58.631 | BS | 46 |
3 | 6 | ENEOS SUSTINA SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | 伊藤 大輔 大嶋 和也 | 9.642 | 53 | 1'58.429 | BS | 2 |
4 | 39 | DENSO KOBELCO SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | 脇阪 寿一 石浦 宏明 | 20.570 | 53 | 1'59.127 | MI | 44 |
5 | 12 | カルソニックIMPUL GT-R NISSAN GT-R / VRH34B | 松田 次生 J.P・デ・オリベイラ | 37.488 | 53 | 1'59.295 | BS | 14 |
6 | 100 | RAYBRIG HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | 伊沢 拓也 山本 尚貴 | 45.998 | 53 | 1'59.462 | BS | 60 |
7 | 17 | KEIHIN HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | 金石 年弘 塚越 広大 | 46.886 | 53 | 1'59.711 | BS | 32 |
8 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R NISSAN GT-R / VRH34B | 本山 哲 ミハエル・クルム | 1'05.203 | 53 | 1'59.637 | BS | 38 |
9 | 19 | WedsSport ADVAN SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | 荒 聖治 アンドレ・クート | 1'17.056 | 53 | 1'59.915 | YH | |
10 | 35 | KeePer Kraft SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | 国本 雄資 アンドレア・カルダレッリ | 56.903+30 | 53 | 1'59.326 | BS | |
11 | 32 | EPSON HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | 道上 龍 中山 友貴 | 2Laps | 51 | 2'00.289 | DL | |
12 | 8 | ARTA HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | ラルフ・ファーマン 小林 崇志 | 7Laps | 46 | 2'00.137 | BS | 10 |
13 | 36 | PETRONAS TOM'S SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | 中嶋 一貴 ロイック・デュバル | 9Laps | 44 | 1'59.403 | BS | 28 |
14 | 1 | S Road REITO MOLA GT-R NISSAN GT-R / VRH34B | 柳田 真孝 ロニー・クインタレッリ | 9Laps | 44 | 1'58.642 | MI | 14 |
GT500 規定周回数:53Lap | ||||||||
24 | D'station ADVAN GT-R NISSAN GT-R / VRH34B | 安田 裕信 ビヨン・ビルドハイム | 51Laps | 2 | 2'03.061 | YH |
□タイヤ=BS:ブリヂストン/DL:ダンロップ/MI:ミシュラン/YH:ヨコハマ
□WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
□開始時刻 : 16:08/終了時刻:17:567
□出走台数:15台/完走台数:14台
○決勝ベストラップ: 1'58.118 No.18 ウイダー HSV-010/小暮 卓史
※周回数1周減算
※No.35 接触行為により、決勝結果に30秒加算した。